『図解まるわかり 整理術の基本』
新星出版社発行の『図解まるわかり 整理術の基本』を読んだ。
自分は整理整頓が得意でなく、身の回りが雑然となりがちで、探しものをするということがよくある。整理整頓ができていない状態というのは仕事でもプライベートでも非効率につながるし、なんとなく人としての信頼性が落ちるような気がしている。そのため、自分の周りにいる、きちんと整理整頓ができる人に憧れを持っていたのだ。これまで整理整頓については人を見て真似したりだったが、一度Howto本を読んで一通りの整理術について知ってみようと思って本書を買ったのだった。
本書では、整理術の大原則、ものの整理術、書類の整理術、時間の整理術、手帳の整理術、ノート&メモの整理術、パソコンの整理術、思考の整理術といった内容について記載されている。主に参考になったのは、ものの整理術や書類、時間の整理術についてだった。記載されている内容は整理する上で基本的な内容であり、自分自身も人から指摘されたことのある内容が多かったが、改めて基本的なことを徹底することが整理整頓された状態を得るに必要なのだとわかった。
まず、整理=不要なものを捨てること、整頓=整理して残ったものを使いやすいように並べること、だ。ものは持っている以上管理する必要があるため、管理しやすくするにはものが少ない状態が望ましい。まずはものを少なくするというところから始める必要がある。
ものを整頓するにはものごとの定位置が必要だ。定位置がないと適当な場所に置いていって乱雑になってしまう。あらかじめ棚などを用意して、どこにしまうのかをはっきりさせておくと良いようだ。判断が難しいものは、それ用の場所を用意して必要なものか不要なものかを定期的にチェックする。
整理した状態を保つためには、整理された状態での仕事のしやすさ、気持ちよさを実感することから生まれる、ルールを守ろうという気持ちが必要。
書類などは定期的に整理する機会を作り、不要なものは捨て、保留するものは一時保管として期限が来たら捨てるようにする。また、書類には保管期限を付すと管理がしやすくなる。
書類は基本的に立てて管理することが基本だ。自分はよく山積みにしていくことが多いので、ボックスなどを購入してそこに案件ごとのクリアファイルを立てるなどし、取り出しやすく、判別しやすい保管方法に変えていく必要がある。
名刺には余白にプラスαの情報(いつどこでどんなきっかけで会ったか等)について記載しておくと良い。すごく基本的なことかもしれないが自分はこれまでやっていなかった…。確かにそれらの情報って必要だ。
スケジュールに立て方においては、終わりから逆算して立てるということが記載されていた。とても基本的なことなんだけど、恥ずかしながら実はちゃんとできていないことが多い。つまり行き当たりばったりで進めていることが多い。逆算して立てないときちんとした時間配分ができないので最終的に出来上がるもののクオリティも低くなりがちだ。基本的なことだけど、これができているかできていないかで事の進めやすさは大きく変わると思う。
また、中・長期のスケジュール作成の必要性も記載されてる。月間スケジュールはスケジュールアプリで作成しているが、年間スケジュールは作成していない。年間スケジュールは目標達成ツールにもなり、「自分がどうなりたいか」のために予定を考える上で有効と思うので、今後は作成していきたい。もっといえば、さらに大きな視点の「人生スケジュール」みたいなものを作り、何歳までにこれをしようみたいな感じで予定を立てていくほうが良いのだろう。確か、以前に読んだお笑い芸人オードリーの若林氏のエッセイでも、将来の自分の姿から現在までにどういうことをやっていくかという日記?みたいなものを作ったところ日々においてするべきことがわかり、充実感が生まれた、という内容があったように思う。これも、逆算してスケジュールを立てるということの一つといえるだろう。
自分は現時点でできていないけど、将来の自分をイメージしてそのために日々やることを理解し、実行できている人は成長が早いだろうと思う。そういうのが子供の頃からできていると、大人になる頃にはできていない人との差はかなり大きくなるはずだ。スケジュール管理の重要さと自分の行きあたりばったりを改めて思わされた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
整理の基本は
- 使ったら戻す
- 雑多なものを分ける
- いらないものを捨てる
整理を簡単にする仕組み
- 定位置を決める
- 中に何が入っているかひと目でわかる
- すぐに取り出せる
- 使用頻度に合わせて配置する
- しまい込まない
捨てるルールを機械的に決める
処分に迷ったら一旦保留箱に入れ、その後に期限を決めてそれが過ぎたら無条件で
捨てるようにする
色、形、大きさ、形式を揃えると見た目がスッキリし、整理しようという気をアップさせ、視覚的にもどこにあるのかわかりやすくなる。ファイルの形、大きさ、色、見出しの付け方などを揃えると良い。
ものの整理の基本原則
- すべてのものにしまう場所を作る
- 使いやすい形を想定する
よく使うものは取り出しやすい位置に、めったに使わないものは倉庫に。書類は立ててしまうとどこに何があるがわかりやすい。 - ものはなるべく増やさない
一つ増えたら一つ減らすを意識する - 完全に整理しようなんて考えない
- 「もしかして必要かもという」という考え方をやめる
ものを置いておくスペースにもお金がかかっている、一度手に入ったものはもう一度手に入れられる可能性が高いと考えるべき。
机の上をいつもキレイに保つコツ
- 動線を考えてものを置く(よく使うものは近くに)
- 一つの仕事が終われば片づけ、無駄なものを出しっぱなしにしない
- 書類は縦置きにする。進行中のもののみクリアファイルに分別し、ボックスなどに立てて入れる
- たまにしか使わないものは置いておかない
机の引き出しは、引き出しごとの意味を考えて収納する
机中央の引き出しには、薄いもの、現在進行中のもの
右一番上の引き出しには、文具類などのよく使うものを入れる
右二番目の引き出しには、分厚いものや高さがあるものや、あまり使わない文具などを入れる。上から見て何が入っているのかわかりやすくする。
右三番目の引き出しには、進行中以外の仕事のファイルなどを入れる。上からファイルのラベルが見えるように収納する。
三段のデスクトレーは、書類を未決、やりかけ、処理済みなどに分けて収納するのには便利。しかし書類の量が多かったり、単純に分けられない種類の仕事の人には不要。
百均グッズを使えば安価で収納用品を揃えられ、必要なくなったら惜しげなく捨てられる。人目につかない場所なら多少安っぽくても気にならない。
名刺をもらったら余白にプラスαの情報を書いておく。
どんな仕事で会ったか、誰に紹介されたか・きっかけは何だったか、いつどこで会ったか
奥行きのある書棚は手前と奥手二重に収納できるが取り出しづらくなり使いづらい。奥行きが浅い書棚のほうが全体がきっちり見えて活用しやすい。
出張や遠出の際は、日用品は足りなくなったら現地で買えばよいぐらいの気持ちでいると荷物が少なくて済む
財布がいっぱいになる一番の原因はカードの持ちすぎによる。クレカや定期など絶対に必要なものは財布に入れ、その他はカード入れに入れるか、滅多にない使わないカードは処分するなどする。
整理は仕事の一つという意識で取り組むほうがいい。整理された状態での仕事のしやすさ、気持ちよさを実感することが、ルールを守って整理しようという気持ちにつながる。
書類の整理には受け取りボックスと仕掛りボックスを作る。すべての書類は受け取りボックスにまず入れ、保管したり回覧する必要があるもの以外は仕掛りボックスに入れる。
仕掛りボックスに入れる書類は一案件一フォルダとする。フォルダの中は、基本情報、見積もりなど金銭関係書類、やり取りの過程、提出した書類などに分類し、すべてのフォルダで同様の分類分けをすると探しやすくなる。
ファイリングの極意は、不要なものを捨てること、必要なものは「戻す場所」と「いつまで置くか」を決めること。
当たり前のことだが、書類があるから管理が必要になる。まずは、書類の絶対量を減らすことが整理の第一歩となる。
雑然となったオフィスの文書を10とすれば、半分の5割は捨てられる。捨てられなかった残り5割のうち、3割はオフィスに置いておく必要がない。
ファイル管理の基本はまず「立てる」
- スペース効率が良い。書類を高く積み上げるとすぐ雪崩を起こしてしまう。
- すべてが見える。
- 取り出しやすい
一案件を一つのクリアファイルに入れて大きく見出しをつける→ボックスなどに立てて入れる。このときにインデックスのような形で見出しをつけておくとどこに何があるかわかりやすく、取り出しやすい。
ファイルの見出し付けルール
- 名前はシンプルかつわかりやすいものにし、「〜など」「〜関連」といった曖昧な表現はダメ。
- 保管期限や捨てる時期を明記する。
- 戻す場所などに対応してファイルの色分けをしておくと便利。
ファイリングには色の持つ力を利用すると書類の種類が分かりやすくなり、戻す場所もすぐに分かる。
色分けルール維持するには、1)常に用具(クリアファイルなど)を用意し、2)色は使い過ぎないことが必要。「とりあえず入れておこう」という気持ちでルールを破ると失敗する。
保存期間を決めることがファイル管理の肝。書類が発生したときにいつまで保存するかを決めて捨てていくことが必要。ものは持っている以上管理が必要になるため、管理が面倒ならものを減らす努力をするしかない。
整理=不要なものを捨てること、整頓=整理して残ったものを使いやすいように並べること。自分が所有する量を減らすことで探しやすく分類しやすくなる。
膨大な書類を整理せず書類にうずもれるか、それとも最初に少し頑張って整理をし、楽な状態で仕事をするか、整理は未来の自分への投資と考えると良い。
スケジュール通りに進める方法
- あらかじめ空白の時間を作り、不測の事態に対応できるようにしておく。
- スケジュールは終わりから逆算する。逆算することで作業の各段階に取れる時間が均等になる。
- 行き詰まったら仕事の交通整理をする。自分の仕事をすべて書き出し、その優先順位を決めて、今やらなけばいけない仕事を他人にも振れる仕事なのかを決める。
中・長期スケジュールの作成のススメ
一ヶ月後に今の仕事をどこまで進めればよいかがわかっていなければ今日どこまで進めるかも分からない。1年後の自分、つまり将来の自分をある程度は設定しておかないと、どんどん未来予想図からズレていってしまう。
月末には翌月の月間スケジュールを作り、年末には来年の年間スケジュールを作ることを習慣にするとよい。思い切り願望でも構わない。机上の空論であってもそれに向かって頑張る姿勢が大切。
年間スケジュールを作ることで一年の流れがつかめる。また、目標達成ツールとしての役割が大きい。1年後の自分の目標を大まかに設定すれば、目標達成のために何が必要かが明確になる。
スケジュールの上手な立て方
- 何を(達成目標)いつまでに(締切)やるかを確認
- 1を成し遂げるのに必要な仕事を具体的かつ細かくリストアップする
- 2で挙げた仕事のそれぞれにどれくらい時間が掛かるか考える
- 3の時間をすべて足し、期限内に収まるか(無理がないか)チェックする。収まらないのなら調整する。
- スケジュールに落とし込む
スケジュールを作るときは「本来の自分」より「2〜3段階できない自分」で考えること。
時間をきちんと管理していくコツ
- 今、自分のやるべき仕事の優先順位を意識する
- 後回しの仕事をなるべく作らない
- 不測の事態に備えて、スケジュールに余白の時間を作る
- Todoリストは常に最新バージョンに
- 仕事の締切はなるべく細かく設定する
PCのフォルダはツリー構造で管理する。分類は後から考えが変わることも考慮し、なるべく大まかなものにする。分類できないファイルの置き場も作る。
ファイル管理しやすいファイル名の付け方
- ファイルは時系列管理すると管理しやすい。ファイル名は日付からはじめる。
- 「〜など」「関連」は使わず、入っているかぱっと見で分かる名前をつける。しかし抽象的過ぎるとわかりづらいため、具体的な名前にする。
- 最新版がどれかわかるように頭に修正した日付を入れる
整理に役立つグッズ類
参考文献