死んでないだけの日常

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借金玉『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』

 

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 借金玉さんの本を読んだ。

読んでからこのまとめを書くまでに結構時間が経ってしまったので所々忘れているけど、とりあえず感想を残しておこうと思う。

金玉さんについてどこで知ったかはもう忘れてしまったけど、ネット上で見かけてなんか気になったのでAmazonの欲しい物リストにこの本を登録していたみたい。私は自分のことを発達障害ではないと思っているけど、色々と仕事上で人と差を感じしてしまう場面があるので、そんな自分にもなにかヒントになることがあれば、と思って読んでみたのだった。

 

本の中では借金玉さん発達障害エピソードと、それに対して編み出した仕事術が紹介されている。発達障害特有の動作・思考に悩まれてきたからこそ、それらの仕事術はかなり実践的で効果的なものになっていると思われる。

 

発達障害特有のミス・紛失とかに対しては、自分の能力的問題を解決するより道具や環境を変える、という考え方が紹介されている。自分を変えるのってかなり難しいことだから、やり方とか環境を変えるほうが手っ取り早いということ。

 

作業環境の話では、作業ごとにスペースを分けて、クリーンな机、極端に言えばクリーンルームを持つことが提案されている。混乱した作業スペースでは思考も混乱してしまうから。一部は混乱していたとしても、どこかにクリーンなスペースがあれば、そこで思考をクリアにして集中できる。まったく何も置いてない部屋があれば、目的のこと以外にすることがないので集中できるというのはよくわかる気がする。図書館とかだだっ広い机だと不思議と集中できることがある。

 

なかなか物事に手がつけられないときの対処法として、机の上のものを腕でなぎ倒してクリーンな状態を作ることも勧められている。モチベーションを出すには「まず手を付ける」ことがとても重要なので、無理やりクリーンな状態を作る儀式が必要とのこと。

そしてモチベーションを維持するには、道半ばまでなんとか進めて、「これだけやったんだし…」と感じるのがコツのようだ。なぜなら、人間が強いモチベーションを感じるのは、「取り返したい」と感じるときだから。

 

スケジュールについては、「何もしない」というタスクを最優先で埋めていくことが重要らしい。私達は休み下手なので、タスクとして休む必要がある。「何もしない」というのは、本当の意味で何もしないということなので、必要な家事とか買い物とかもしない、「完璧な休日」だ。必達タスクを考えながら過ごす休日は全く休養になっていないとのこと。自分は仕事上で気になることがあれば休みの日もそれを考えてズルズルすることが多いので、休養になってないと言われてハッとした。そりゃそうだ。

 

社会で人間関係を上手に作るには、「見えない通貨」の存在を意識することが非常に重要とされる。それらは、「褒め上げ」「面子」「挨拶」の3つ。

仕事を教えてもらったらその対価として「褒め上げ」、相談などをするときは話を通す順番をよく考えて「面子」を守り、相手に敬意を示す意味で「挨拶」は快活に行うこと。細かなことだけど、これを守れば人間関係の諸問題はだいたい解決するらしい。

 

飲み会では、一般的な作法(一番偉い人からお酌するなど)を押さえて「見えない通貨を」をできるだけ払っておくに越したことはないようだ。そしてフリでも良いので楽しそうにし、終わればお礼を伝える。「疲れた飲み会」こそが正解とのこと。

 

雑談は、相手がコミュニケーション可能かどうかを判断するためのものなので、内容はどうでもよいと思っていい、と紹介されている。だから、基本的に相手の言ったことに対して同意でよく、最初は相手の言ったことをそのまま引用して返すような形でいい。雑談って儀式的なもので内容を求めるものじゃないんだ、と少し楽になった気がした。

共感も雑で良いようだ。とりあえず相手の話に同意する感じでいればいい。

 

鬱になった場合にやることは、上にも書いた「何もしない」を「やる」ということが重要だそう。その場合はリラックス方法として五感を使う方法が紹介されている。そういえば以前にPha氏の本を読んだときも五感でリラックスすることが勧められていたから、結構一般的な方法かもしれない。

 

何もしない状態を作る方法として、海外やビジネスホテルでの「外こもり」が推奨されている。引きこもるにして家の中よりどこか外のほうがなんかリフレッシュできそうな感はあるので参考にしたい。

 

上記の通り、発達障害でなくても参考になる考え方はたくさんあった。特に「見えない通貨」という考え方がなるほどと思ったかな。押さえるべき点はシンプルなので日々の生活で実践していきたい。特に挨拶とかすぐできるし。

本書では発達障害の人向けに薬の飲み方や種類などについても詳しく解説されている。発達障害には薬が効果的なのでうまく活用すると良いみたい。

 

この本では色々と勉強になることが多かったので、借金玉さんの別の本も読んでみたいと思う。