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D・カーネギー『人を動かす』

人を動かす 文庫版 | D・カーネギー, 山口 博 |本 | 通販 | Amazon

自己啓発書の古典で超有名な『人を動かす』を読んだ。

この本は古典的なベストセラーだったのでなんとなく存在は知っていたのだけれど、後でいいかという感じで、これまで読まなかった。読んだ率直な感想としては、やっぱり超有名な本なだけあるなという感じで、読んで良かったなと思った。長く読まれているものには、やっぱりそれだけの理由があるもんだ。

 

本書で書かれていることで、特に印象に残ったものがいくつかある。

 

まずは、「重要感を持たせる」ということ。人は、誰でも自分が一番かわいいし、自分自身のことに一番興味を持っている。いつだって人から評価されたいとも思っている。だから、相手が自分にとって特別な存在であること、尊敬しているということ、関心を持っているということ、などを相手に示すことが重要だ。自分も同じことをされたいと思っているのなら、相手も同じ気持ちのはずなのだ。どんな人でも、なにかの点で自分よりも優れているものがある。そう思うと、相手の長所を考えるようになり、尊敬の気持ちが生まれてくるような気がする。「重要感を持たせる」は、いろんなことの前提となる考え方になっていると思う。

 

「人の立場に身を置く」というのも、基本的だけど重要な考え方だ。自分のことだけ考えていても、相手を動かすことはできない。「自分だったらどう思うか」という考えに至ってはじめて、どんな方法なら相手が動くかが見えてくる。また、相手の行動に対する理解も、「人の立場に身を置く」ことで生まれる。相手の行動を自分のモノサシだけで判断するのではなく、なぜ相手がこの行動をしたのか、なにか背景があったのか、というふうに、相手の立場から様々なことを考えてみるべきだ。

 

人に好かれる原則としては、「誠実な関心を寄せる」ということにハッとさせられた。我々は、自分に関心を寄せてくれる人々に関心を寄せる、のだ。「重要感を持たせる」の部分と重なるけど、人は自分自身のことに一番興味がある。だから、自分に興味を持ってくれる人に好意的に感じる。当たり前のような話なんだけど、自分自身のことを振り返ると、人付き合いの中で全く意識していなかった。友人が多い人を思い浮かべると、世話焼きというか、色んな人によく話しかけるような人だった。つまりはいろんな人に関心を持っていたということだ。相手に興味を持つから相手も自分に興味を示してくれる。「自分を好きになって欲しいのなら、まずは自分が相手のことを好きになることだ」みたいなフレーズが漫画「ROOKIES」で出てきたけど、まさに同じことだ。人に興味を持つってすごく大事なことなんだ。

 

「名前を覚える」ということの重要性も改めて知った。人は他人の名前は気に留めないが、自分の名前には大きな関心を持っている。だから、相手が自分の名前を覚えてくれていたら嬉しいし、自分の名前の漢字を微妙に間違えられたら少し気になる。ここでも根底にある考え方は、「重要感を持たせる」だ。名前をちゃんと知ってくれている=特別な存在、というわけだ。また漫画「ROOKIES」の話になるけど、主人公が学年全員の名前を覚えようとしていたことや、名前を覚えることが第一歩と言っていたことは、本書の内容に通ずると思う。自分はこれまで失礼ながら相手を前にして「名前なんだっけ?」と聞いたことがあった。今思うと、「君のことなんか興味ないよ」って言ってるようなものであり、最悪だったと思う。本書を読んでから、人と仲良くなっていくための第一歩として、必ず名前を覚え、紛らわしい漢字であれば注意するということを意識している。

 

「聞き手に回る」というのも人付き合いの中で欠かせない。すでに上でも書いたとおり、人は自分自身のことに興味を持っている。他人に関することの百倍もの興味だ。だから、人は他人の話を聞くよりも、自分の話がしたいのだ。興味のあること、悩み、不満などを聞いてくれる人を皆欲しがっている。そのため、相手が関心のあることや、喜んで答えそうなことを話題にすることだ。そうすることで、相手は興味を持たれていると思い、重要感を感じてくれる。やっぱりここでも「重要感を持たせる」が出てくる。

 

その他にも、「誤りを認める」「まず褒める」「遠回しに注意を与える」などなど、日々の人付き合いにおいて重要だなと思わされる内容がたくさんあった。

 

個人的にはやっぱり、「重要感を持たせる」や「誠実な関心を寄せる」が超重要なことだし、自分が今まで出来ていなかったことだと思う。今後は2つを頭に入れながら人付き合いをやっていきたい。

 

D・カーネギーの本は本書以外にも有名なのが色々あるので、そちらも読んでいきたいと思う。

 

 

人を動かす 文庫版

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