住所不定無職 - GOLD FUTURE BASIC, (2013)
住所不定無職の2nd・アルバムである「GOLD FUTURE BASIC,」を聴いた。
住所不定無職は（一応）女性4人組のバンドである。知ったのは当バンドの2期メンバーである℃-want you!のソロアルバムを聴くようになってからだった。Youtubeで彼らの初期の曲『I wanna be your Beatles』を聴いて「いい曲だ」という印象を持っていたけど、その曲を含めて彼らの1st・アルバムは、なんていうか素人っぽい音作り？で、荒削りな感じがすごかった（意図的な演出だったかもしれないけど）。どこかで見たインタビュー記事では7時間でアルバム全曲録音したとか言っていたし。そのため、そこから住所不定無職について掘り下げる気はなかったのだけど、あるとき気まぐれにYouTubeで彼らのMVを観てみたところ、今回のアルバムにも収録されている『IN DA GOLD,』という曲がかなり良く、今回のアルバムを買おうという気になったのだった。他にも1st・フルボリュームシングル(？)に収録の『マジカル・ナイト・ロックンロール・ショー』とかも良かった。調べてみると彼らは出す音源ごとで大きく音楽性が変わるという特徴があるようだけど、それにしても1stと今回の2ndを比べると全然違うバンドみたいだ。どっちにも良さはあると思うけど。
今回のアルバムには堂島孝平やスカートのプロデュース曲もあり、かいつまんで少しだけ聴いた1stと比べると、めちゃくちゃ丁寧に作り込んだ曲たちという印象。アルバム全体を通してメインソングライターのザ・ゾンビーズ子のセンスが光っている気がする。先にMVで知っていた『IN DA GOLD,』は秀逸なダンスチューンだし、『CRIMINAL B.P.M』はArchie Bell & The Drells のTighten Upっぽい自己紹介のある良い曲、『宇宙のYeah!!!』は爽やかハイテンションなディスコチューンって感じでアルバムの中では一番好きだなぁ。アイドルにカバーされたら映えそうな曲のような気がする。『ムーンライト・シティ・トーク』はスカートとのデュエット曲（初めて聴いたときはゾンビーズ子が歌ってるのかと思った…）、『月曜21時に恋してる』は月9ドラマを唄う曲でアルバムでは2番目に好き。その他にも『ローラは不機嫌』、壮大な『ジュリア!ジュリア!ジュリア!』、他とは毛色の違うロックナンバー『SHANE』など、クオリティの高い曲が並んでいる。また、Interludeとして℃-want you!のピアノが挟まれているが、これが良い。Interludeが気持ちよく聞けるアルバムって印象良い。Interludeをもっと長めに聴きたかったぐらい。
ポップなだけじゃなくて踊れる要素も入っており、良曲揃いのかなり良いアルバムだ。自分はよくわかんないけど、70s'や80s'の洋楽のいろんなエッセンスも入っているようなのでマニアにも好まれるだろうなぁ。とにかくクオリティの高いアルバムでした。彼らの他のアルバムの聴いていきたい。
ちなみに、このアルバムを出したあとに住所不定無職はメンバーを追加したりしてMagic,Drums & Loveとして活動しているが、Magic,Drums & Loveの音楽性とこのアルバムは地続きになっているような感じだ。このアルバムの雰囲気が好きな人ならMagic,Drums & Loveもグッとくるはずだろう。自分もチェックしてみよう。
